コンテンツサービス事業部の後藤です。
先日たまたま見ていたTVのニュースで、日本のお寺の嘆きが聞こえてきました。海外の旅行サイトで「精進料理を満喫!2泊3日のワクワクお寺の旅!」的な広告につられて、海外からお寺に宿泊に来る「宿坊」旅行者が増えているそうです。ところが旅行サイトでは文化的な背景や禁忌の説明もないので、訪れる人々は滝で荒修行をしている行者の写真を撮ったり、横で普通におしゃべりをしていたりとやりたい放題。しかも精進料理のコースは期待していたものではなく、宿泊施設も良くない・・ということでクレームが絶えないとか。期待しているものが違っていますよね。お寺には、あれはやめてください、これはやめてください、というようないろいろなお願いが英語で張り紙されていました。これはおもてなししようとしているお寺にとっても、楽しみに訪れている旅行者にとっても残念なことですよね。
文化と言葉は並んで進化します。お互いに影響を与えているのでどちらかの理解が足りないとそれを伝えることができません。先の宿坊でも、海外からの方々は「なぜそれをしてはいけないのか?」が理解できないことが多いそうです。日本の常識は世界の常識ではないということですね。ということで、海外向けのホームページに掲載するときは、慎重に翻訳をすることをお勧めします。表現もネイティブが読んでおかしくない(カタコトでない)言葉を選ぶ必要があります。
弊社でも重要文化財や国宝級の茶器などの解説を掲載したカレンダーの翻訳を毎年ご用命いただいています。これは本来の得意分野である「技術文書」ではありませんが、日本の文化に興味を持ち、探求心の強い翻訳者さんがいつもとは少し違った文章を楽しみながら翻訳しています。ネイティブのチェッカーも、掲載される写真と一緒に歴史と文化を楽しんでいるとのことです。たまには機械を離れて、固・硬・堅くない内容の翻訳も良いのではないでしょうか。
—————-キリトリセン—————-
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