コンテンツサービス事業部の後藤です。
先日通訳者さんのアテンドをしました。道々世間話をしながら行くのですが、普通の会話をしていても言葉の選び方、イメージの捉え方、言葉の使い方、どれもとても素晴らしいと感じました。適格(適切)な言葉を正しく、丁寧に使われていました。テンポを壊すことなく、会話の流れを促すような相槌も見事です。まさに「会話の達人」という印象を受けました。
同時通訳をやられる通訳者さんでしたが、あの「耳から入った言葉を別の言語で語る」構造はどうなっているのか?訊いてみました。他の通訳者さんにもお聞きしたのですが、皆さん「うーん、どうなんでしょうねぇ??」という答えです。 トランス状態に入って、イタコの口寄せみたいな感じですか?と訊くと笑っていましたが、やはり対訳の言葉が頭に入っていないと出てこないそうです。「専門用語ばかりで、全然知らない内容の会話を聞いていても意味が分からないでしょ?」そりゃそうですね。
私なりに通訳の思考の流れを考えてみました。 ①まず発する言語を決める(よし、今から英語しか話さない!)②耳から入る内容は言葉ではなく、「絵」とか「イメージ」で捉える(考えるのではなく、感じる!) ③その「絵」「イメージ」をさっき決めた言語で言葉にする。(そのまま発する!) 大まかにはこんな感じで、言葉を訳すのではなく、「イメージを語る」という動きではないかと考えました。翻訳してたら絶対に追いつかないですからねぇ。まあ、どちらにせよこれはものすごい特殊技能で、私には絶対に真似のできないことだということは分かります。同時通訳は15分交代が基本だそうです。どれほど集中するのか、これもわかる気がしますね。
通訳者さんはイタコではないので、「元になる対訳データ=通訳に使う用語(のイメージ)」をあらかじめインプットしておくことがとても大切だということです。通訳をご依頼されるお客様は是非!あらかじめ参考資料をしっかりとご用意いただけるようお願いいたします。参考資料が少ないと期待されるパフォーマンスが発揮できなくなり、通訳者さんもとても不本意な思いをされることになります。それはお互いにとって悲しい結末ですよね。
【まとめ】より良い通訳のためには、全般的には使用する用語の資料、会議の場合は状況や立場が分かる資料を通訳者さんに提供しておくことが大切です。通訳者さんたちは数時間のパフォーマンスのために何日もかけて資料を読み込み、頭に整理して本番に臨んでいます。アヒルの水かきのように、平然と業務をこなしながら、見えないところでバタバタと準備をされているのです。
—————-キリトリセン—————-
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