コンテンツサービス事業部の後藤です。先日久しぶりに1965年ごろの録音のカール・ベームのモーツアルトを聴きました(私だってたまにはクラシックなんて洒落たものを聴いちゃいます!)昔聴いた時、ベームの演奏はちょうど良いテンポだと感じました。カラヤンなんかはピッチも高く、テンポも速すぎる印象がありました。
チューニングも現在はA(ㇻの音)が440Hzですが、モーツアルトのころは432Hzだったそうです。今は全体にピッチが高くなり、テンションがきつくなっています。その分音の粒立ちが良くなり、歯切れがよくなりますが、実際に和声として一番きれいに響くのは432Hzだといわれています。実は私がやっている一つのバンドは和声を重視するのと、432Hzが自然界のチューニングであるという説に則って、チューニングを432Hzに変えてやっています。確かにコーラスは綺麗というか優しい感じになるように思います。
昔読んだ音楽関係の本に、テンポのことも書かれていましたが、馬車で移動していた時代とジェット機で移動している時代では身体のリズムが変わってきます。前にちょうどよいと思っていたベームは、なんだか遅く感じられました。私も現代の流れに飲み込まれてしまったのでしょうか?
考えてみれば、前にベームを聴いた時はまだパソコンが普及する前でした。その頃に比べると何もかもが各段に早くなっています。休日にのんびりと聴いたら、前のようにそのテンポが身体にしみ込んでくるのかもしれません。今度はビール片手に古いクラシックを聴いてみようかな・・・