Q&A, 翻訳

教えて!翻訳Q&A!『冠詞が難しい!』

Q: 英訳の際、冠詞の使い方に苦労しています。
例えば技術文書で頻出する数量語句(物理量)と共に用いられる冠詞の使い方がよくわかりません。注意するポイントは何でしょうか?

A: 冠詞はわれわれ翻訳者にとっても非常に難しく、日本人が完全に使い分けをマスターすることは、恐らく不可能の部類に入ります。
しかし、誰でも知っていなければならない最低限のルールだけは理解しておくべきでしょう。

技術文書で頻出する数量語句(物理量)と共に用いられる冠詞の使い方ですが、

まず数量語句とは「物理量の名称(圧力、温度、電流、長さなど)」と「数値+ 単位」からなり、
①一点の物理量を表す場合と②範囲を持った物理量を表す場合、に分かれるのがポイントです。
①の場合の例(不定冠詞+ 単数形の物理量の名称)
200 p A の圧力:a pressure of 200 pA
250℃の融点:a melting point of 250℃
約0.5 mmの直径: a diameter of approximately 0.5 mm)
最大20 m /sec の風速: a maximum wind speed of 20m/sec ( 定冠詞the ではありません)

②の場合の例(無冠詞+ 複数形の物理量の名称)
40℃を超える(または未満の)温度:temperatures more (less) than 40℃ , temperatures above (below) 40℃
3cm までの直径:diameters up (down) to 3cm
これは①の場合「物理量が一つだから不定冠詞」②の場合「物理量が範囲を持っていくつかあるから無冠詞(複数)」と覚えればよいでしょう。
冠詞と数の関係は、冠詞の使い方をマスターするために基礎となるところです。

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