Q: 英語と日本語の間には発想の違いがあり、それが文章にも反映されると聞いていますが、
技術文書では具体的にどのようなケースがあるのでしょうか︖
また、翻訳ではそれにどのように対処されていますか︖
A: 今回は「英語と日本語の発想の違い」の2回目です。
前回は、「何々した結果、何々が何々することがわかった。」
という構成の文章を取り上げましたが、今回は別の頻出ケース「何々するには、何々が必要である。」を取り上げます。
例︓表面を正しく処理するには、前のコーティングはすべて取り除く必要がある。
これを日本語的発想通りに英訳すると
“In order to prepare the surface properly, it is necessary to remove all the old coating.”
と長めの文章になりますが,
これを英語的発想で書き換えると
“Proper surface preparation requires removing all the old coating.” または
”…requires removal of all the old coating” または”…requires that all the old coating be removed” の様になり、
英語では日本語の目的の部分(表面を正しく処理する)を主語にして、簡潔に書き換えることができます。
ここで使われる“require”(必要とする)という動詞は、目的語に名詞や動名詞をとることができ、大変便利な動詞です。