Q:産業翻訳でよく、文書のタイトルに標準、基準、規格、規定、仕様等の用語がよく出てきますが、意味の違いが曖昧で訳語の選択に苦労します。
なにか指針となるものはあるでしょうか?
A:コンテックスでは次のような使い分けをガイドラインとしています。
標準:目安として用い、何かのデータや経験をもとに平均をとったものを指すことが多い。
一般的な技術標準などの場合はStandardが最適でしょう。
基準:何かを判断したり比較したりするときに目安として用いるもので、しばしば誰かがそのラインを設定したり、変更したりするもの。
検査基準, 判定基準等、Criteriaが最適でしょう。Datumも使われますが、測定、加工基準点面等、参照点をいう場合によく使われます。
規格:生産物に対して、材料や作りかた等について一定の基準を設けたもの。
ISO規格、JIS規格等、標準化によって決められた取り決めの意味合いが強く、Standardが一般的でしょう。
仕様:製品の内容や構造を説明または表示したものSpecificationが一般的です。
規定:1つの物事に対する決まり事。Provision、Requirement, Regulation等いろいろ使えると思います。Ruleはどちらかと言うと、ある一定の行為や手続きを纏めた「規則」のニュアンスが強いように思われます。